2009年05月19日

純粋未修理論

よく僕が言っていて、今回の試験でも正しいことが再確認されたと思うこととして、「純粋未修理論」があります。

sunさんや猪瀬さん、更にはarisugawajuriさんが勉強方法を公開して下さったことへの感謝を込めて、このタイミングで公開することにします。

結果による裏付けがない状態で偉そうにこんなことを言うなと思われる方がいらっしゃることは当然想定しています。しかし、この時期の時間は非常に大事です。9月の結果発表まで待っていては4ヵ月もの時間が過ぎてしまいます。そこから半年ちょっとで勉強する場合、間に合わない恐れが生じてしまいます。僕自身、10月だか11月にようやく本気で勉強を始めましたが、絶対量の不足はどうしようもありませんでした。そのため、この数ヶ月は来年の受験にとって決定的に重要な時期だと痛感しています。

そこで、結果による確証がない状態でも、ここで公開に踏み切った方が、来年の受験生の方々に1つの「判断材料」を示せるという意味で、有用だと判断しました。間違っていると思えば読者の方で無視して下さればいい訳ですし、正しいと思えば取り入れて下さればいい訳ですし、そこはもうお任せします。

ということで本題に戻りますが、この純粋未修理論とは、平たく言えば、新司法試験では、純粋未修が3年間でできることで99%受かるように問題が作られているという理論です。

ご存じの通り、ロースクールは他分野からの社会人の入学を想定して未修制度を設けています。そして、ロースクールは東大を筆頭とする一流校だけでなく、2流・3流とたくさんあります。

そして、ロースクールには、法律については全くの素人で、しかも才能的にも普通レベルの人が、入学してくることが想定されていますし、制度的にもそういう人達が他分野からきて合格して実務家になってくれることが望ましい訳です。

となれば、未修として3年間、ロースクールでの教育に従って、一生懸命に勉強すれば、ほぼ間違いなく受かるように、試験問題も作られているのだと思います。

では、これが具体的にどういう意味を受験において持つのかというと、教材の選択に非常に重要な意味を持つ訳です。

つまり、「純粋未修がロースクールの教育に従って真面目に勉強する」場合に使用される教材以外は、合格だけならいらない訳です。上位合格には必要かもしれませんが、少なくとも合格だけなら不要です。

そして、その純粋未修が使う教材についても、全国のロースクールの学生の間で不公平にならず、出版社間でも不公平が生じないように、誰でも使っている本・誰が使っている本にも載っている内容からしか出題されない訳です。

では、その教材は何なのかといえば、基本書・条文・判例・実務教材の4点セットです。

@基本書
平等の観点から、基本的にはどの本にも載っているようなところから出題されます。直接書いてあるかどうかの差はあるにしても、理解するレベルまで読み込めば、本番では対応可能です。

そして、その基本書から出題される内容についても、純粋未修が8科目分を3年間でやれる量には限りがあることを踏まえて、かなり限定されています。ただし、だからといって薄っぺらな勉強でいいのではなく、中核的な部分についてはきっちりと理解していることが求められます。狭く深いとでもいうのでしょうか。

A条文
当たり前ですが、全受験生の誰もが読む物なので、試験委員は出しやすいです。ただし、純粋未修が対応できる範囲に絞られるので、細かすぎるところは(合否に直結する形では)出ません。なお、その代わりに基本的・重要な条文はきっちり意味を理解して使いこなせる必要があります。

条文判例本等は、勉強を効率化する意味では役立つこともあるでしょうが、基本的には不要だと思います。

B判例
まず、ロースクールではケースブックが使われることは当然試験委員も知っていますので、そこからは遠慮なく出題できる訳です。どの本を使っているかで差が生じないように、どの出版社のケースブックにも載っている有名判例から出ます。受験生は当然理解するレベルまで読み込んでいる必要があります。
ただし、調査官解説は不要です。判例を理解するツールとして使うかどうかはともかく、調査官解説を必須とすることは純粋未修理論からは考えられません。

また、出題傾向から明らかですが、試験委員は「重判」は当然押さえているものとして、考えているようです。おそらくは、純粋未修が入学する直前から、試験を受ける直前に出るまでの、「4年分」の重判は、当然毎年押さえているものとしているのでしょう。

そして、百選ですが、これは重要度が一段下がります。少なくとも、ケースブックにも重判にも百選にも載っていない判例は、合否に直結する形では絶対に出ないのは確かなので、百選を限界線として使うのはアリだと思います。
ただ、試験委員が求めているのはあくまでケースブックに載っている量をきっちり理解していることだと思うので、百選はケースブックに載っていない判例を補うために使うものでしかないと思います。

C実務教材
実は超重要ですし、今年の論文でもストレートに求めてきたところです。民法の類型別、民訴や刑訴の公判手続の概要など、ロースクールの実務科目で扱われる教材・配布される教材は、ロースクールの教育の中核なので、当然のように出題されます。短答でも論文でも聞かれるので、必須です。
書面の具体的な書き方とか、マークシートでも論文試験でも出しようがない部分はともかく、完璧にするくらいでも損はしません。

世の中には「捜査法演習」だとか様々な実務系の本がありますが、それらはあくまで理解の助けとして使うものであって、これらの実務教材で制度の中核・本質を身につけていれば必ず対応できるように問題が作られていると考えていいと思います。


そして、この@〜C以外は基本的には不要です。やって損になるものではありませんしやればやるほど上位で合格できるようになっていくと思いますが、間違っても、@〜Cより優先順位が絶対的に低いことだけは間違えないように心がける必要があります。合格を最優先にするのであれば、使うときには、あくまで@〜Cの補助教材に留めることが大事です。


と、純粋未修理論についてご紹介した訳ですが、それを踏まえて、今年の問題をご覧頂ければ、この考え方で勉強して解ける論点しか出ていないことがいえることが分かると思います。

この理論は、現時点で成績が悪いけれども、来年に必ず受かりたいという覚悟を持つ人には非常に有用だと思います。

僕は量の部分を補いきれず足りなかったので届きませんでしたが、これから1年をかけてその量を補うことで、来年は受かるものと確信しています。

そして、他の人でも、この理屈に従って勉強することがもっとも合格率を上げてくれるものと信じていますので、ここで公開させて頂きました。

ということで、受験を終えたばかりの方々、来年の受験生の方々、お互いにベストを尽くして頑張りましょう。
posted by 佐藤誠 at 05:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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